マルー・クインクエ【発明界へ行こう】・・・1

「某っ 仕事したいですと――――!!!」
必死な形相で風切り派[つちの どしや]が土下座し懇願していた
「あたくしとお得意様回るのも立派な仕事ですのぉよー♥♥」
「お嬢様! 殿方の服を掴むなんてはしたない!!」
「そんな事してないわ。ばあや」 ぱっ
どしやの後ろでは服を掴み引っ張るまりもの姿。
ばあやに注意されすぐその手を放すが再び掴むと待機している高級車へ引き摺り込もうとしている
「団長殿!! 某をっ 某を―――――!!!」
恐怖で顔が引きつり小さめのまりもに少しずつどしやは引っ張られていく。でかいどしやを引っ張れるまりもは意外にも力がある様だ

「あ―――…かんこ君………男手が足らなくなるので彼を置いて行ってはくれないだろうか」

救いの手を差し伸べる一丁にどしやはハッと目を丸くする。
合いの手を入れる様にばあやが付け足す
「そうですよお嬢様! 大変な重労働だと聞きます! 挨拶回りは私達で参りましょう」
「……」
いざないは呆気にとられ眺めている
「…なら仕方ないですぅ。せっかくつちの君をお披露目しようかなと思ってましたのぉに」 ぶー

ぞっ

「ささっ」
むくれたまりもにばあやは急いで車へ乗せようと急かす。
立つ事も出来ない程怯えたどしやは寒気が走り凍り付いた

ヴロロロロロロ…

「――…助かりました団長殿、このご恩は必ず……」 うう…
「おおっ そうかそうか。実は今欲しい”本”があっての、少しばかり値が張って買おうか悩んでたんだ」
どしやの肩をポンポン叩き自分の欲しい物を笑顔で匂わせる
「喜んで買わせて頂きますと!!!」
「おおっ ありがたい」
「ししょーずりぃ」 あれ買う気か!!
要求が通り喜ぶ一丁に対しいざないが羨ましがる
「まぁそう言うな。発明に顔の利くかんこ君のお陰ですんなり入れたではないか」 ハッハッハッ
〈後で見せてやるさ〉
〈必ずっすよ!!〉
不満げのいざないを宥め約束

「……」
いざないは一丁の言葉で先程までの出来事を思い出す。
通常発明界へ入る場合は関境(せききょう)である場所で一人ずつゲートへ入り、徹底的に目視と器材でスキャンされる。
異物、武器の発見時は速やかに没収され、発明研究所行きとなり二度と戻ってこない。
先程はまりもが同伴していた為、VIP扱いとなり別ゲートで軽く目視とスキャン、加えて集団十人まで一度に通る事が出来た。
『こんにちはぁー』と笑顔で通るまりもの左側では顔が蒼いどしやが並び腕組みされ通って行く。真後ろでばあやが鬼顔、その後ろをいざない達が目点状態ですんなり発明界へと入界したのであった
「かんこ君の能力でほぼ100%異物は感知されないしのぉ。さすがにオレのは見てくれから武器故預けてきたが。ま、かんこ君が発明に来る条件が―――――…何はともあれ大変だったな」
「某帰りたいですと」
腕組みし終始余裕顔の一丁に対しまだ怯えが止まらないどしやは泣いている
「知っていたなら何故教えてくれなかったのですか!! 知ってれば私はあれを預けて来なかったのです!!!」
「おお、スマンスマン」 アッハッハ
「アッハッハじゃありませーん!!!」
「ガリさんっ 刃向かったら死ぬ死ぬっ」
大口開き笑う一丁に同行していたガリが怒るが、ガリと共に付いて来た頭脳派人員[ハン ジナエ]はガリを押さえようと肩を掴んでいる

[頭脳派・責任者 ガリ スライス]
とっても神経質
せせこましいくらい策を練る
練りすぎて実行が間に合わない場合多し
弱点を見つける『発見の輪』を持ってるが、ただ見つけるだけで何も出来ずに終わる
案外怖いもの知らず

[頭脳派 ハン ジナエ]
ガリの助手的な子
勉強は好き。力はほぼゼロ
発明界に興味を持ち一緒に付いて来た

「さて、調査に行こうではないか」 アッハッハッハ
〈あれがあれば…〉 うう…
「…………」←憔悴してるどしや

(このメンツ大丈夫なのか…)
いざないだけ不安そう

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