マルー・クインクエ【研究所・数日後】・・・2

ピタ

「…………」
持ち場へ帰ろうとした員達は立ち止まるといざないに一点集中
「いざない君! 貴重な意見ありがとう!!」
「は?」
「確かに“物”なら毒の影響は薄いわ!」
「イン! 早速テネヴさんに……あ」
何気なく言った言葉に員達は大騒ぎ。
いざないは『?』になっている
「今日セクレさん来る日だね」 忘れてた
ジンホウは壁に貼られているスケジュールを確認
「彼女に話した方早いかな、テネヴさんにはインからお願い」
「ああ」
いざないの顔から血の気が引いた
「い…いつだっ いつ来る!?」
「もう間も無く」

ブ――――

「あ、来た」
肩が小刻みに動き驚くとワゴンの手すりを掴みダッシュで調理場へといざないは走り去る

ブ――――

「はいぃ」
二回目のブザーが鳴り、ヘレデムが玄関へ
「きっちりしてるから必ず玄関からブザーを鳴らし、必ず三回終わるまで待っている。三回前に扉を開けても三回は押して立っているよ」
「……」
ジンホウが語るセクレタリウスの特徴を聞いてるれいり
「調理場には行かないからセクレさん帰るまでいた方いいね。今日の滞在時間は二十分だって」
「はい…」
笑いながらジンホウは玄関へ行く。
れいりとソルムは普通に調理場へと向かった

ブ――――

「いらっしゃいぃ」
ガチャ
「現在の状況を教えて下さる?」
「はいぃ」
笑顔でセクレタリウスを招くヘレデム。
ジンホウも加わりセクレタリウスを実験室へと連れて行く

〈~~~で〉
〈~~~~~…〉
カツ カツ カツ

通路を歩くジンホウ達の気配に気付くれいりは入り口付近に顔を向ける
(セクレさんってどんな人だろう…ちょっと気になる)
人物像しか知らないれいりにとってはとても興味をそそられている
(いざないが怯えるくらいだから相当凄い人なんだろうな…)
いざないは俯き加減で静かに洗った食器をカチャカチャ収めていた
「プリセプス、夕時の食材だ」
どん
「ありがとうございます」
必要な食材が書かれた紙を持ち袋一杯に選別した材料を台の上に置くと、ソルムはとても大きな鍋を手に取り水を注ぎ出す
「…セクレタリウスか、私も見られたら危ういな」
「…! 会った事あるんですか?」
「…数回」
「ど…どんな感じの人でした?」 ワクワク
「……」
面識あったソルムに詳しく聞こうと両手をグーにし、肩ぐらいまで持ってくると興味津々。
いざないは恐ろしい名前が出て来た事でギョッとなり視線をソルム達に向ける
「……………」
「…ソルム?」
何やら難しそうに考える
「こんなだったか」 フワ
人差し指を立て軽く回す

ポン

「…………………」
れいり達の目の前三十センチ程、同じく三十センチくらいの少し透明感のある投影された物体が現れた
(も…もしかしてソルムって目が悪い……のかな…?)
れいりにとってその物体は人としては見えず、どこかの地域で使う呪いの人形の様に見えて仕方無い
「主が注視する人物しか覚えない故、部分的にしか出てこない…少し違う気もする」
ソルムは至って真面目
「…ふ」
離れた所で見てたいざないの口角が上がる
「くくっ……」
「こら!」
れいり達に背を向け体を震わせ笑ういざないにれいりは注意。
しゅ~、と物体が煙となり消える頃ソルムは思い付き、立てた人差し指をいざないへ向けた
「ニューヴスのプリセプの方が正確だな」 フワ
ソルムはいざないに法を放つ

ポンッ

「わ゛――――!!!」
いざないの目の前に超リアルなセクレタリウスが現れた。
いざないは叫び腰を抜かすとそのまま体を引き摺り食器棚へ思い切りぶつかる

ぐら… ハッ

積み重なった皿はバランスを崩す


「何かしら? 悲鳴のような」
「実験には付き物です。気にしないで下さい」
地下階段を降りていたセクレタリウスは立ち止まるが、ジンホウによって再び歩き出した


カチャ…カチャ カチャカチャカチャ

倒れた皿達はれいりによって救われた。
いざないに体を預けスライディングしたれいりは頭、両手、両足、背中に皿を積み重ね綺麗に留めている。
鍋を被ったいざないは曲芸師並のれいりの動きにびっくり
「お皿……割れたら…何によそえばいいのよ!!」
視線を上げいざないを睨む。
れいりは食器の心配をしていた様だ
「元はと言えばお前だろ!! 何でんな奴見てーんだ! 毛玉の食器台が!!」
「私は食器台違う!! 有能な人見たいのは当たり前じゃない!! 何よエロエロ大王!!」
「俺はまともだ!! ざけんなよ!!」
ムカッっと来たいざないはれいりに悪口を含め反論。
売り言葉に買い言葉でれいりも怒り出す。

「これはセクレタリウス? 花柄の服でないのか? 髪は丸くない?」

「………いざない用だとは…」
「……」
投影され出て来たセクレタリウスの風貌に腕組みし疑問視するソルム。
目の前のセクレタリウスの髪は横結い、ガウンを纏い色っぽい印象を受ける

しゅ~

投影像は煙と共に消えていく

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