マルー・クインクエ【戦人】・・・3

―――混溶界外れの荒野

土が剥き出しになった広い場所の周りには、大きな岩がゴロゴロし樹木がその後ろを囲んでいる。
各々岩の間に入り込むと現れるであろう広場に息を潜め窺っていた
「…緊張しますね……ここに戦人が……」
「オレらはあくまでもいざないのサポートに徹する」
全体派幹部三名がいる岩場では一丁、ただお、まいちが静かに待機している
「いざないに戦人の目がいかぬ様常に注意を引き付けておかねばならんぞ」
「はい!」
「まいち」
「いつでも行けます」


「私達はこちらにいましょう」
るうりんとたさいは別場所の岩場で待機


「ジン、お前はもう帰れ」
「僕もそうしたいんですけどね」
一丁達から見えない岩場ではT、いざない、インが待機。
少し離れた場所でまだいたジンホウにインが近寄り声を掛けている
「どんな人物か見たいなと言う好奇心が勝って♪ ちらっと見たら帰りますよ♪」
「…」
ジンホウの返答にインは無言
「……」 何つーのんきな…
いざないは横目で緊張感の無いジンホウに疲弊していた

「来たぞ!」

防護服を纏った人物が広場の中心に降り立つと、場の空気が瞬く間に圧迫感のある物へと制圧された

          *

ジンホウの家では、簡単に作ったパンケーキを皿一杯に盛り付け、お茶セットを持ったれいり達はリビングへ歩いていた
はっ

バサ バサ…バサ…バサ
「みーつけた♥」 ニッ

景色が一望出来る大きなガラスに外側からピタリ張り付いた全身布ずくめの人物が、口角を上げ眼光鋭く部屋内部を見つめている
「え゛え゛え゛!!?」 ここ六階!?
ありえない光景にゾッとしたれいり
「…ミング・カピト………」
心当たりのあったディックは冷や汗し硬直
ピシ…ピシッ
「!」

「れいり! ソルム!」
「え!?」
張り付いていた場所からひびが入る。
ディックは驚き急いで二人に向き直った

パアアアアアアアン
ゴオオオオ バリバリバリ ガチャンガチャン

「…」
ガラスの壁を破壊し、轟音と共に外にいた人物は中へと入って来る。
しかしそこに人影は無かった

          *

「防護服着用でこれとは…末恐ろしい…」
荒野では防護服を纏い降り立った戦人が、獲物を探すべくキョロキョロ辺りを見回していた。
遠い場所から様子を見ていたジンホウは恐ろしい程の圧倒的さに身が竦んでいる
「もう行け!」
「ええ。武運を祈ります」
見る事もでき満足したジンホウは帰ろうとイン達に背中を向ける

ヴォン
「ジン!!!」

「……ディックさん!?」
「!?」
T、いざない、インは予想していない人物が急に現れびっくり
「―――おいっ!! 何でお前らがここにいんだよ!!」
「え?」
ジンホウにしがみつくディックの他にれいりとソルムもいた事にいざないは目を疑う。
れいりも何が起きたか分かっていない
「ミング・カピトが家に来たんだっ」
「え…」
「捕まりたくなくて急いでジンの所に……家の中めちゃめちゃになって……ゴメンねぇ………」 ぴ~
「…」
ジンホウの胸の中で動揺するディック。
話を聞き目をパチクリさせてたジンホウは沸々と笑いが込み上げ涙目に
「これは予定外…」 アハハ
「笑ってる場合かそこっ!!」
笑いながらディックの頭を撫で、落ち着かせようとあやす。
いざないの切迫な突っ込みが入る
「…そこに明がいると言う事は」
「奴がこっちに!!」
新たな事に気付きいざないは青ざめる。
中心にいた戦人は口端を薄く上げ振り向いた
「いいえ、来ません」
「!?」
「すみません、テネヴさん」

はっ

申し訳なさそうに苦笑しつつ謝るジンホウ。
気付いたTは再び戦人へ目を向けると中心には戦人の他にもう一つの人影があった
「先に二人を合わせてしまいました」

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