マルー・クインクエ【戦人】・・・9

ザン!

法陣の壁を境に腕が真っ二つに切断され歪な空間に閉じ込められる
「………何だと…」
急な出来事にいざないも驚きが隠せない

シャクシャクシャク…

「!!」
閉じ込められた腕はにゅっと伸びてきたソルムの鎖によって一口ずつ食べられていく
〈た…たべ…〉
目の前で見学する事になったれいりは、小さな瞳が現れた一つ一つの鎖の咀嚼っぷりを驚愕しながら目も逸らせずじーっと見続けた
「私はこの世で何が起きようと構わぬが」

シャクシャクシャクシャク

「我が主に刃を向けるなら止めを刺してやろう。出て来い、カエデス」
れいりの前にソルムが現れ戦う姿勢を見せている
「ソルムか………冷酷非情として名を馳せたお前さんが牢にいたとは聞いとったが…嬉しいのぉ、儂はお前さんと一度手合わせしたいと思うておった」
回復し始めたカエデスと引き摺り込もうとしている鎌とが拮抗し、押し問答
「ほう…そやつは、柔弱なプリセプの血か……あの男は随一柔弱だったのお……フフフフ…」
「ファルチム! まだかっ」
鎌を操り暗へと連れて行く人物(ファルチム)は渾身の力を込め引き摺り込もうとするが、当のカエデスは話す余力もあり、余裕の笑みを浮かべている
「くそ! 回復し始めた! あと少しなんだ!!」
いざないも法陣を閉じる訳には行かず両手を前面へ向け法を出し続けていた
「その小娘―――良かったぞ…………これ以上ない痛みだ……フフフフ………腑抜けの血にしては中々じゃあないかぁ? フフフフ……」
カエデスの揶揄が入った言葉をじっとソルムは聞く
「殺したいの…その小娘……跡形も無く刺して刺して刺し続けて一滴残らず搾り取って――――フフフフフ!」

ひゅん

「早く出て来い」
頭に飾られていた鎖を右手に持ち鋭い音が空気を裂く。
顔は無表情でも激怒モードに入ったソルムはカエデスを仕留める気満々だ
「…二回戦入るのかな?」
「~~~~」
ビリビリと痺れる圧迫感を体に受け、いざないとジンホウは焦る
「冗ー談じゃねーぞ!! レオ! ソルムを止めろ!!」

「レ…」

れいりは咀嚼中の鎖達の虜と化し周りを気にする余裕等無かった
「衝撃的で聞こえてないね」 僕も近くで見たいなぁ
「~~~…!! おい!!…ソルム!!! そいつ怯えてっぞ!!!」
状況に気付いたいざないは大慌て
「プリセプスにつまらぬ物を見せた」 フッ
気付いたソルムも囲っていた方体を曇らせ見えなくした
「あ…え…えっと…………!!?」
我に返ったれいりは目の前にいたソルムを直視
(もはや、神!!!)
バタ――――ン
「プリセプス」
髪が解けたソルムは又違う美しさを放ちれいりを困惑の世界へ導いた
「れいり君に注意が行ったね」 良かった良かった
「…………」
〈プリセプス?〉
ぶっ倒れたれいりの様子を気にするソルム。
いざないは呆れて言葉が出ない


「あの男は何者だ? 暗か!? 気迫が全然違うぞ!」
「戦人じゃ」
「何だと!!?」
「え!?」
「二人もおったのか!!!」
凄まじい殺気を当然感じた一丁達。
十メートル程離れたソノ(効果切れたので)の言葉に一丁とただおはギョッとする
「では、この前の…」
「ああ、Tが危険は無いって言った奴じゃ」
「…そうですね。言われてみればれいりさんの心配されてる様ですし……」
「…~~~くっそ……」 ぎりぎり
るうりんはれいりとソルムの様子を眺めているが、ソノは苦々しく苛立つ
「何であんな超絶いい男がれいりんとこいるんだこんちくしょお―――――!!!」
「なんだとおおおお」 NOOOOOOO
「…」←た
違う意味でショックを受けた一丁。
ソノはソノで違う意味で腹が立っていた

バキ

『…いざないっ 逃げ……!』
金属が鈍く折れる音を聞きファルチムの叫び声とほぼ同時だった

ダンダンダンダンダン

法陣の壁から抜き出た無数の槍がいざない達に容赦なく降り注ぐ

ダンダンダンダンダンダダダダダ…

煙と埃が飛び散る中、れいりはソルムの結界に護られケガこそしないが、一体何が起きているのか困惑し体が強張っている

『いざない!!!』
しゅ…る…

安否を気遣うファルチムの下方向から細い糸状の物が現れ動き出す
「―――さて、この陣はしぶといのぉ。そろそろ出ようとするかい」
鎌を折り、自由になったカエデスは立ち上がる
「しぶといのはテメーだろ、誰が出すかよっ!!」
いざないは真っ直ぐに立ち法陣を解除する事なく生きていた。
生きてはいたが槍の攻撃を真っ向から受け大量に出血、全身を赤く染め上げ今にも倒れかけている。
そうはさせまいと気力だけで立っていた

ゴフッ ボタ…ボタボタ

「ゴメン、いざない君」
ジンホウの口から血が流れ出す
「速すぎて…急所外すのがやっとだった…」
ドサリと前屈みに崩れ落ちた。
いざないは悔しさと怒りが混じり歯をぎりと食い縛る
「ジンホウさん!!! ソルム!! いざないとジンホウさんの所に―――」
「だめだ」
れいりは二人に気付くが、二人の様子を見せまいとソルムが前に立ち壁となる
「プリセプスが危うくなる、プリセプスは見るな」
「い…いやだっ ソルム…お願い…」
再び無数の槍が法陣の壁から出現
「いやだ――――!!」

ダンダンダンダンダン…

重い衝撃が大地に響く。
れいりはどうする事も出来ず顔を両手で覆うと泣きながら蹲る

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