マルー・クインクエ【戦人】・・・12

「…何かMさんに凄い事されてた様な」 ディックさん連れてかれた…
「あの明の自我崩壊はそのままだったか」
「!!」
「根気よくテネヴロージ殿が接してる様だが」
れいり達の後ろから近づく影に気付きソルムは距離を取るが、何も知らないれいりはソルムの話に困惑している
「強いプリセプだな」
「……」

「お前は、いつまでこれを外しとんじゃ――――!」

「ぐえっ」
急に首を引き上げられ吐き気
「~~~お…おゾノさ…」
カチャッ!
素早い動作で腕輪を装着させられた
「羽根はどうした」
「ひいぃ!」
もう一つの装備が無い事にソノは激怒
「羽根え~~~~~――――」
「痛い痛い痛い痛い痛いいいいいい」
後ろから両耳の上を引っ張られ、あまりの痛さに叫び声を上げる
「~~~デ…ディックさんが持ってる……」 はっ
「何!! 金髪イケメンが!?」

「どうすんじゃあ――――」

「ギャ――――」
「リーダー、でしたらパグちゃんをれいりさんに」
るうりんが両手を広げパグを放しぴょーんとパグは頭の上に乗る
「こい!!」
「~~~~~行かない!!」
制裁が終わりソノはれいりを連れて行こうと腕を掴むが、れいりは前屈みになり動こうとしない
「…れいり」
「二層に連れてくんでしょ! だから行かない!!!」
ソノの鬼目がれいりを睨む
「どこまで聞いたか知らんが、お前は元々二十歳になったら二層に行く事になってたんじゃ!」
「え…」
「半分混ざりの姉ちゃんがお前が回復出来る素質あったからって、マルーで不足してる要員だからって理由で!! うちに置いてってな!!」
ソノの言葉に驚き思考が停止
「お前の今付けてる装備じゃ抑えきれんで漏れてる可能性が高い! 現にそのいい男と会ったじゃないか!!」
斜め後ろにいたソルムをソノが指差す
「こんな事が無ければ二十歳までいられたかもしれんが、この際二年後も今も関係無い」
ソノの厳しい言葉がれいりを貫く
「お前はマルーを卒業なんじゃ、れいり!!」
ソノの言う事をれいりはじっと体を動かさず聞いていた
「二層はこっちに比べて安全だ。そこで親と楽しく暮らせばいいじゃろ!!」

ぐい!

再び腕を掴まれ引っ張り出す。
れいりは先程の様に抵抗せずされるがままになっていた

(私…マルーにいられない…?)

ソノの言った事を何回も繰り返し、繰り返すが頭の中に入ってこない

「待ってくれ、ほのをさん」

「その回復要員が今必要だ」
ソノの行く手を遮ったいざない。その後ろにはただおと随分離れて一丁の姿がある
「力が漏れてんのは大した事じゃねー。防衣をその上に羽織れば済む事だ」

「あの戦人とやりあってマルーは太刀打ち出来なかった。戦ったほのをさんも実感してるだろ!」
いざない、ソノ、れいりの三人は一直線上に立ちいざないの説得が続く
「暗にとってレオの法は殺傷能力高いんだ」
「いざない…」
「今レオにマルーを脱けられたくない!!」
「………」
れいりがマルーに残る事を後押しするいざないの言葉にれいりは驚く
「おい…副団長! 戦い方を知らんこいつに戦人と正面切って戦えって言ってんのか?」
ソノの眉が吊り上がり恐ろしい顔になっていく
「回復を攻撃に回すって事はそう言う事じゃろ!! 回復は一番安全な所にいるんだ、こいつをそんな危険な場所に置かせられるか!!」
「俺が護る!!」
お互い声が荒くなる
「こいつに傷一つ付けさせね―――――」

「少しでも傷ついたら、俺の命くれてやる!!!」
「!」
バチッ!
睨み合いになると火花が散る様な空気が漂い辺りに緊張が走った


「いざないも本気だがソノも本気だ…散々だったからの…」
バチバチしてる後方で一丁は尻込みしている

「ソルムもいる」

「ソルムはれいりの従者となり結界も張れる、今の戦いでれいりが無傷なのはソルムの力が大きい」
ソノ達の背後からTが口添え
「……超絶イケメンの戦人が…従者だとお!?」
れいりはソノのぎらついた目がこちらに来た事にビクついた
「ソルムは…力を貸してくれるか?」
「…危機にさらしたくは無いがプリセプスが望むならそれに従う」
違う方を向いていたソルムはT達と視線を合わさず淡々と語る
「れいり、我々に力を貸してくれ」

(私…)

皆が見守る中、れいりは心が重く苦しくなる。
今自分は一体どうしたいのか、危険な目に遭っても自分がいたい場所とは一体どこなのか――――と

「おソノさん」

「私…マルーにいたい!」
頭を前に下げ零れそうな涙を堪えながら必死に懇願する。
上にいるパグはバランスを取り落ちる事はない
「……」
食いそうなくらい恐ろしい顔でじっと睨むソノ

「……………………ち」

「マルーに戻るぞ」
瞑っていたれいりの目が大きく開かれる。
ソノは手を離しイラつきながらも先へと歩き出した
「くっそ、何でこんな頑固なんだこいつは!!」
少しずつ遠くなるソノの背中をじっと見るれいり
「おソノさん…ありがとう!」
許可が下りた事にれいりは大喜び
「いざない!」
〈やっと落ちた…〉 
「ありがとう!!」
睨み合いから解放され肩を落とすいざないに近寄ると満面の笑みを向け、すぐソノの元へ駆けて行く。
いざないはただじっと、れいりの顔を見ているだけだった

〈何してる!!〉
〈まって――――〉
ソノのお叱りにも笑って走って行く


「いざない、そうと決まればMの洗礼を受けなければならんな」
「な…~~~~~~~………………………………イ…インを連れてきてくれないか…………?」
「分かった」
「………」
体が強張り恐怖の色を見せるいざない
「ソルムは、ついて行ったか」
ソルムがいない事に気付く。
Tとインは別行動をする為いざない達から離れていった
「我々も行こう」 ソノに向かって良くやったな
「…」 ハハ…
一丁がいざないの肩を叩き笑う


全体派幹部もいなくなり辺りは騒音があったとは思われないくらいの静けさが戻っていた
「うーん…」

「…やはり協力するしかないのかな」

ハンカチを口元に寄せ大木に体を預けていたジンホウは今までの経緯を楽しそうに思い出し一人帰って行った

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