マルー・クインクエ【騒然】・・・1

マルー多目的室には、先刻戦人と戦った人員が集められていた
(こんな場所あるんだ…)
れいりも勿論招集され、ソノとるうりんとの間に立っていた。
もう一つの部屋を開放し、離れた場所に一丁、まいち、ただおが座っている

〈聞こえます?〉
〈大事ない〉

ソノがいる為十数メートル距離を取り座っていた一丁にただおが確認。いざないは前部屋の扉に寄りかかっていた

ガラ
「ねー、おかちー」

「これ着ないとダメ?」
「お願いします。髪も金色は目立ちますので見えない様に」
夫人、ディック、派長の順で多目的室に入ってくる。
ディックは大きい布を頭から羽織り、不自由そうに動きながら辺りを見回すと、台に乗ってる花瓶の花に目が留まりジーッと見続けた
「夫人、Mは」
「ディックさんを置いてすぐ出て行きました。皆さんお疲れ様です。早速ですが戦人についての報告を―――」
「れいりくらいならいい?」
「―――? 構いませんが」
不思議そうに振り返る夫人。
ディックはバサと布を脱ぎ、花瓶の横に置く
「みちびき、切るの持ってる?」
「これを」

チョキ

「!」
鋏を受け取ると布を豪快に裁断
「お花一本貰うね♥」
オレンジ寄りの黄色の花を一本取ると、ディックの手から法が繰り出された

フワ~~~ パッ

切った布と花が混ざり合い一本の紐が出来る
「完成♥」
ディックは紐を髪に結うと髪の色が瞬く間に花びらと同じ色に変わった
「あとこっちも」

ジョキジョキ

手品の様な不思議な光景に皆の視線がディックに集まる


「これなら着やすいや♥ うん♥」
残りの布で出来上がった防護服はケープ状のコートの様な服で、全体的にフワリとしたスカートにも見える
「さすが物作りのプロ…」 女の子みたいになった…
ディックは仕上がりに満足しくるくる回って楽しんでいた
「いざないさん、分かりますか?」
「…いや、分かんねー」
力が漏れているかの確認をいざないに聞く夫人



『―――したの?』

「――――っ!!」

『―――の?』

るうりんの顔が不思議顔から驚きに変わると、くるくる回るディックの元へ駆け寄った
「…ディック様!」

「…昔、幻獣の森に来た事はありませんか?………この花に見覚えありませんか?」
るうりんは常に髪に飾られてある大きな花をディックに見せる
「…」
ディックの脳裏に蹲る女の子の姿が浮かび上がった
「あの時の女の子? 大きくなってて全然気付かなかった!!」
ニコニコしながらディックは近づく
「良かった。もう目、見えるんだね♪」
るうりんの目から大粒の涙がポロポロ零れると両手で顔を塞ぎ俯く

「やっと……………会えた―――――」

「どうして泣いてるの? 泣かないで」
ディックは眉が下がり俯くるうりんの頭を優しく撫でる
「ずっと…お礼言いたくて………名前を聞く前にいなくなって…去ってしまわれたので…………」
るうりんとディックの深刻な知り合い具合にポカンとして見てるソノとれいり。
話を聞く雰囲気では無いと察し、夫人は奥の部屋へ行くとただおから話を聞き始める
「あの時、花に法を定着させに一回戻ったら見つかりそうになって、すぐ渡して戻ったんだっけ…」
数十年前の過去を振り返り照れ笑い
「ディックさんて頻繁に程に来てたんですか?」
「うん! 素材集めにあっちこっち」
「……」
れいりの質問に即答。
抜けだし常習犯だった模様

はっ
「ミング・カピトには内緒だよっ またお仕置きされちゃう…」
言ってから気付き焦る。
その様子が楽しくるうりんは笑みが戻った
「ディック様、あなたは私の命の恩人です。ありがとうございます」
「私は笑って貰えればそれでいいよ♥」
笑顔が戻った事に喜びディックもるうりんもニコニコ笑っている
「じゃあ、れいりに乗ってるあの子があの時の幻獣レオの子なんだね」
「はい」
れいりといざないの目が点
「…パグちゃんが幻獣レオ!!?」
「あら、ご存知無かったのですか? てっきりいざないさんは知ってるのかと」
「……」←い・れ
良く聞く言葉であった為るうりんは知ってる物と思っていたらしい
「…もっとモサモサしてんのかと思った…全然ちげー…」 じー
「何見比べてんの!!! 失礼ね!!」 もっ!?
上と下とを交互に見るいざないに怒り
「いざないがれいりの事レオって言ってたの幻獣レオの事だったんだ♥」
寄って来たディックがれいりの頭の上にいるパグをナデナデ
「そうだね。かわいい所似てるよ♥ れいりとレオ。ね、いざない」 ナデナデ
「…」 かっ!?
「…」
いざないに同意を求めるが、いざないは視線を逸らし返事無し
「…ディック、あんたはあたしの体に入ってる異物取り出す事は出来るのか?」
「!」 ガタッ
ソノの言葉に遠くで座っていた一丁が立ち上がる。
平常に話すソノだがどうしても怒ってる様に見えるのは仕方無い
「作った本人じゃないとムリ」 フルフル
「作った奴知らないか?」
「明は半数以上色んなの作って見せ合いっこするから、私知らない人だと思う」
衝撃事実にいざない達がビクつく
「……異物集めるこっちの身にもなってくれ…」 減らねー訳だ
「法の並び写して探す事も出来るけど」
「―――! 出来るならやってくれ」
「…でも一層と程の出入り自由じゃないと…ミング・カピトに言ってくれるなら………私言えない…」
お仕置き怖さに躊躇している
「分かった、許可貰う!! 一丁、お前も交渉するんだ!!!」
「当ー然だ! 任せろ!!」
いつになく二人が意気投合し燃え上がる
「あ、もし故人だったら諦めてね。永久に可動すると思う」

ギョッ

何気ない一言に二人は身が竦む
「じゃ、写し貰うよ」
とてとてと軽い足取りで一丁の元へ。
次いでソノの所に行くとお腹に手を当て法がディックの手の周りに纏わり付いた
「でもどうして取りたがるの? 良い物だと思うのになぁ」
写しを取り終え左手に収めるディック。
不思議そうにソノを窺うが、ソノの目付きが異様に変わる
ガバッ
〈はなさんいい男はなさんはなさんいい男…〉 ぶつぶつぶつ…
「おソノさん!! また!!」
ディックの体にしがみつきお経並みの呟きを延々言い放つ。
発作的な行動にれいりといざないは冷や汗
「リーダー、ディック様から離れて下さい」
れいりといざないの後ろから恐ろしく低音のるうりんの声が聞こえ驚く二人
「~~~る…るうりんさん?」

「リ~~~~ダ~~~~~~~~~」

(……こええ…)
ソノの近くに寄り睨んでるであろうるうりん。
後ろ姿で顔は分からないれいり達だが、空気の違うるうりんに後退りしている
マルーらくがき38.jpg

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