マルー・クインクエ【騒然】・・・2

「いいさんから話は伺いましたが……ディックさん、隣へお越し下さい」
「うん」
重い表情で夫人が前に戻って来た
「ほのをさん」
「っ! は…はい」
言われてようやくディックから離れる
「程では為す術は無いのですか…」
「混ざりでもきつい、完敗だ」
いざないが手を広げお手上げ状態
「…この件はTに任せるしかないのですね」
「……その方がいい。マルーは全面的にサポートに回った方が無難だ」

「俺が言えんのはここまでにしとく。後はTが来てからで」 T遅えな…
「そうですね」
夫人と会話してたいざないも口を閉じTが来るのを待っている
「あ」
ふいにれいりが思い出した
「ディックさん、羽根は…」

「あ」

「もう会えないと思ってあそこに置いて来ちゃった」
「え!?」
「そしたら又会ったね♥」
ニコニコディックに驚く。
夫人はディックの隣で真剣に書き物をしている
「どうしよう……取りにいかないと…」
「呼べば来るんじゃねーの?」
「あ…そっか……でも…遠いけど……来るのかな…?」
「さあ?」
羽根の性質を思い出すが、距離の遠さに考え込んだ

ガラ

「T!」
「…Mはいるのか?」
「おりません」
「その方がいい」
Tとその後ろに同じ格好の人物が現れ部屋の中へと入ってくる
「れいり、これを預かって来た」
「羽根! ありがとうございますっ」
受け取ったハンカチを広げると羽根が目の前に現れ安心する
「パグちゃんありがとう」
ぴょーんとパグはるうりんの元へ跳ねていく
「ハンカチ…」
「次会った時で良いそうだ」

(じゃ…これ、ジンホウさんの…)

ジンホウの所持品と気付いたれいりは大事そうにたたんで帯の中へと嬉しそうにしまう。
斜め後ろで壁に寄りかかっていたいざないは、じっとその様子を見ていた


「戦人の事だが、戦える者以外は今まで通りマルーで程の活動を続けて欲しい。暗から兵を連れ出し対処する事にした」
「!」
本題に戻りTが話し出す
「元々暗が原因で起こした事、暗は暗でケジメを付ける。程での抗争は逃れられない、程が巻き込まれぬ様マルーで対応して欲しい」

「それで良いか? おかち」
「ええ。こちらではその様にします」
話が纏まり今度は紙で包まれた大きな荷物をTと一緒に来た人物が部屋の中へ持って来る
「次にディック、これを」
ご指名されたディックは大きな荷物をガサゴソし、出て来たアイテムを持ち上げた
「あ、ありがとう♥ これがあればぐっすり眠れるよ♥」
「……」
出て来たアイテムはディックご愛用の黒いうさぎのぬいぐるみ。いざない達は唖然化してるが、れいりは黒うさを見て思い出す。
Tと来た人物もいざない同様唖然としていた
(そう言えばペンペン研究所…また行けるかなぁ)
忘れる事はない、ペンペンの存在感。れいりは上向き加減で会いたそう。
その間黒うさぎを持っていたディックが隣の人物をじーっと見つめていた
「あなたインでしょ、初めまして!」

びくっ

「話聞いてる! とっても優しくて頼れるって言ってたよ!!」
「……」
顔を近づけ屈託の無い笑顔でニコニコ笑う。
目が合ったインは瞬きも出来ずに冷や汗が出て赤面する
「…………」
「…れいり、ディックを離してくれ」

はっ
「ディックさんっ!!」
動けなくなったインに気付いたれいりは急いでディックの腕を掴みインとの距離を取る
「あれ?」 れいり?
〈あ…あぶない…〉
離されたディックは何が起きたか分かっていない
「歩く爆弾だなこりゃ…」 インねじ飛んだか…

「……」
我に返ったインは前屈みになり呼吸が荒い。イン自身驚いている

「おかち、今の様にディックが二メートル以内に近づいたら離して欲しい。今時点で私…いざないは?」
「俺は何とか大丈夫だ」
「そうか」
不思議現象に戸惑う夫人
「ソルム……れいり、ソルムを呼んでくれ。この室内にいるはずだ」
「えっ いるんですか!?」
Tはもう一人の存在を思い出し、れいりに指示
(移動中全然見てなかったから何処か行ってしまったのかと…)
キョロキョロ周りを見渡すが何処にいるのかさっぱり見当がつかない
「えっと…ソルム、出て来て下さい」 でいいのかな
「御意」 フッ
「ソルム!! そこに!!?」
〈は!?〉
れいりのいた部屋の丁度角にソルムがいた。
れいりも驚いたが気配すら感じられなかった為いざないも驚いた
「サクロールムの法で付いて来たのは知っていた。このソルムも当てはまる」
「サクロールムって…もうスパイじゃねーかよ…」
明暗語が分かるいざないは意味を知り身が竦む。
自身の姿を消し周りと同化する法で、覚えられる者は僅からしい
「私はプリセプスがいる故必要ないが」
「近くにいる以上必要であろう」
「…」
燐とした佇まいで腕組みしTを見る

〈おのれ…あれがれいりちゃんに…〉
身を乗り出しソルムを凝視する一丁だが、前に行く事も出来ない為チラチラが限度だ

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント