マルー・クインクエ【たんじょーび】・・・3

「もー、すっごいステキだった――♥ 二人とも一体どこにいたの!」
「…館内」
レストランで合流したミヨシは頼んだジュースを一口飲み、目をキラキラさせては夢心地
「ダイラグッズもじゃんじゃん買うぞ!! さっ 売店ゴー!」
「元気だなー」
「行ってて下さい」 もう少し食べたい
食事を早く済ませ即売店へ。
ゆっくり食べたい二人はミヨシを目で追っていた
「れいり、最近食事増えましたね。私と同じ二人前」
「え……そっ そうなの。最近お腹減っちゃって」
「…」
一緒に昼をする時が多いイソネはれいりの食事が増えた事に疑問を持つ。
ソルムの分だと言う訳にもいかず、れいりは適当な言い訳をしごまかす
「妊娠でもしました?」
「してないから!!」
「そうですか」
何気ない一言にギョッとなる

(イソネの真顔にびっくりする…)

食事が済み二人も売店へ移動。
れいりはある場所で足が止まり目を見張った
〈でかイルカ…〉
視線先にはれいりの背丈程ある大きなイルカのぬいぐるみが上の棚に二体並んでいる。
ミヨシとイソネがダイラグッズに夢中になっている間ずっと顔を染め周りが見えないくらい可愛いでかイルカを見続けた
「……」
値札を見、再びでかイルカを見る
(家はムリだし、マルー別室に置いても…私物化いけないよね……)
イルカから目を離し、しょんぼりと顔を下げた
「れいりはどれいい?」
「あ、余ったのでいいよ」
カゴの中には山の様に積まれたダイラグッズ。
選ばせようと声を掛けるミヨシだが、いつでも見られるのでそこまでの欲はれいりに無い。
イソネも同じでミヨシに全て任せている


「は――、今日は楽しかった♥」
「結果ミヨシが見に行ったのは海の生物で無く人でしたね」
「堅い事言わない言わない♥」
荷物は届けて貰う事になり、三人は手ぶらで館内を後にした。
ミヨシは満足したかとても上機嫌
「気分良いから募金しちゃおっと」 チャリーン
「ありがとー」
出口近くにいた数人の募金活動をしてる人に硬貨投入
(………募金…)
「二人はー?」
「では…」 チャリーン
「ありがとー」
振られてイソネも投入。
れいりはふと例の事を思い出し躊躇している
(まさかね…)
「あ、じゃ…私も…」
れいりも投入しようと準備し、それをワクワクして見てる募金人

〈やはりあっちにいるべきだったかNo.2276〉
〈もう少し前進するかNo.2275〉

「……」
離れた所で募金活動をしてた人達から小声が聞こえる

〈ここは我らの勝利だNo.2003〉
〈やはりここだったなNo.2002〉

れいりは手を止め、募金する人達の会話を唖然として聞いていた

「あのー」

「コルチ団ですか?」
「そうだ! 我らは格式ある団体コルチ団…」
「何で分かった!!?」
「……」
驚きよりアホらしくなり苦笑。
コルチ団と言う言葉はミヨシ達にもしっかり聞こえた
「どうする、バレてしまったぞNo.2001!!」
「あのー、ちなみに何人います?」
「六人だ!!」
誇り高きコルチ団は聞かれると力強く返事
「だって。ミヨシ、イソネ」
後ろを向くと戦闘モードに入った二人がいる
「ほ――お、人の善意を悪事に使おうとは不届き千万」
「ご丁寧に自ら名乗ってくれましたね」
「……」
ただならぬ雰囲気に固まるコルチ団六人
「逃げろっ!!」
募金箱をしっかり持ち走り出す
「ソルムは何もしなくていいよ」
『…』
慌てる様子もなくれいりは目の前を見守っている
「あの二人一般人員でも強いから」
六人は既に伸されていた。腕組みし体を踏んづけているミヨシと倒れてるコルチ団を見下ろすイソネ。
周りの人達は何事かと遠巻きに見ている
「マルーに連絡したら取り締まり隊よこすって」
ミヨシが自前の機器で連絡
「それまで見張ってますか…ひらいさん!」
警備が終わったるいこが騒ぎを聞きやって来た
「これコルチ団?」
「はい、取り締まり来るまで起こさない様に見張ってなくてはなのです」
「んじゃ音波かける」 ポゥ

ボオオオオオオオエエエ

るいこの背から羽根が生え、口から超音波をコルチ団にかけている
「変化すっご!」
「これなら安心ですね」
「あい」
変化の珍しさにミヨシは驚く。
コルチ団は当分目を覚ます事は無いだろう
『幻獣ガルゴか』
「部分変化でも凄い」
見覚えのあった羽根に呟くソルム。
改めて見る変化にれいりも感動
「と言う事は特別手当出るよねっ!?」
「そうですね」
「ラッキー、欲しい服あったんだ♥」
コルチ団の周りを囲み急なお小遣いが貰える事にミヨシはテンションアップ。
れいりも皆に合わせてその場にいる事となった


「…あいつらはダメだ、マルーだ」
「悪くないんだが仕方無いな…」
れいり達の様子を建物を挟み眺めている二人の人影。
その頃、別出口から堪能したジンホウが出て来る
「それにしてもどうして下位の奴らはああも抜けてる? No.60」 ボソボソ
「教訓に則りすぎなんだろNo.61」 ボソボソ
小声でも案外大きめな声で二人の会話が続く
「今日もNo.22が栄光に輝くのか」
「あいつは後ろ盾もあるし集めやすい。我らも油を売ってる暇はないな、とにかく動こう」
「ああ」

「失礼」

声を掛けられ振り向く二人
「落ちてましたよ」
ジンホウがハンカチを持ち立っている
「…俺のじゃないな」
「自分のでもない…」
「おや、そうですか」
二人の返事にハンカチを見ては考える
「高そうな代物だし受付にでも置いてきますか。お手数かけてすみませんね」
「……」
二人はハンカチより目の前のジンホウをじっと見ていた
「つかぬ事を聞くが」
「?」
「あなたはどこかに所属しているのか?」
「と言いますと?」
歩きかけたジンホウが立ち止まる
「いや、今日キリートダイラ来てたし、付き人か何かかと」
「まさか。ただの通りすがりですよ、一般人」
「…そうでしたか、普通の人にしておくには勿体ない容姿だからてっきり」
二人はジンホウに見とれていた様だ
「お褒めの言葉ありがたく頂いておきます。では」
ジンホウは笑顔で会釈し受付へと戻っていく。
二人は人混みでジンホウが見えなくなるまで目で追っていた
「…モロ総帥好みだなNo.60」
「連れて行けば喜ぶだろうな」
スカウトし損ねた事に気落ちする二人
「だが今は男より女だ!」
「人も滞ってきたし場所を移そう」
水族館を後にし二人は街中へ。
受付の近く、人の目が届かない所でジンホウはハンカチをコートのポケットにしまう。『くす』と口角を上げ笑みを浮かべると再び外へ歩いて行った

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