マルー・クインクエ【うわさ&立案】・・・1

「二人に来て貰ったのは真相を聞きたいと思ったからです」
四・五日後の派長室。
夫人に呼ばられやって来たいざないと、左手に饅頭の山を持ち右手でモグモグ食べてるのの子の姿がいた
「今どこの派でもある噂が広まってるのですがご存知ですか?」
「…さあ。俺は最近中で動いてねーし」
「同じべし」
「一体どんな噂なんすか」
「いざないさんとおきまりさんが子作りに精を出してると言う噂です」
「は!!?」
目が点になり驚く
「どっからどーひっくり返ってんな噂が!!?」
「私も出所は知りませんが、交際しているのなら構いませんし、支障が出ない程度にマルーで活動して頂きたいのでお二人に来て貰ったのです」
犯人は例のフサフサの子であるが、夫人は知らないのでその後についての話が続く
「それで、お二人は交際されているのですか?」
「な…」
「…ちょっと待ってくれのの子」
のの子の返事を遮り後方を気にしたいざないは、扉がしっかり閉まっているのを確認
「…」
饅頭食べ食べ変な顔をしていざないを見る
「どうされました?」
「…夫人………」


「…ではそういう事で良いのですね」
「…頼んます…のの子も」
「分かったべし」
話が纏まり夫人ものの子も同意
「いざないさんも苦労してますね」
「……」
いざないは目を伏せゲンナリ

コンコンコン
「お入り下さい」

「夫人、話を伺ってきました」
「ありがとうございます」
扉の外にいる兵二人に挨拶を交わし、るうりんが派長室へと入って来る
「お二人は幹部集合室で待機していて下さい」
「べし」
「うす」
「あ、いざないさんはお聞きしたい事がありますので待って貰えませんか」
出て行こうとしたいざないを止めるるうりん。
のの子だけが幹部集合室へと行く
「…俺?」
「はい」
夫人が話を切り出した
「いざないさん達の噂の下に隠れてあまり広まってませんが、最近もう一つ噂が流れていたのです」
「?」
「れいりさんが妊娠したのではないか――と」
「!」
いざないはびっくりして目が見開いた
「れいりさんが親しくしてた男性は全体派くらいですが、濃艶派では“いざないさん”がお相手ではないかと言う話も飛び交ってました。しかしそれは無いと私が一蹴しました」
パグを抱きほんわかと話し続ける
「その場合は妊娠する前に二人共死にますしね」
「…」
「ですが他の全体派――…と思っても私は考えられないのです」

ずいっ

「それでいざないさん、ディック様とれいりさんは本当に何も無いと思われますか?」
音も立てずに目の前にやって来たるうりんにいざないはびくつく
「……それは…ねーと…思う…」
(こえーけどやっぱかわいーな)
瞬きもせず目も逸らさず笑顔でぐいぐいるうりんは寄って行く。
後退りし距離を取ろうとするいざないだが、真顔笑みのるうりんに恐れをなしつつ焦っては照れていた
「その根拠は? いざないさんが不在の時もあった筈ですが」
「…俺いなくてもあいつの近くにソルムが常にいるんだ。ディックからもんな話聞いた事ねーし」 あいつはすぐ話す
「そうですね。れいりさんも否定してました」
納得したるうりんはいざないから離れた
「そもそも何でそんな噂が」
「食事の量が増えたのです」
「は?」
「常に二人前、こっそりと隅で食べていたと言います」

とある風景、食堂の端っこでれいりが二人前食べていた所を見ている濃艶派の人達がいる

「……それってソルムの分じゃ」
「ええ、そうでした。ですがソルムさんは姿が見えないので、れいりさんが沢山食べる様になったと皆さん思ったのです」
「んで、その噂が…」
「はい」
るうりんは振り返り夫人を見る
「――と言う事でした夫人。れいりさんの件は私が成長期と言う事で皆に言っておきます」
「ご苦労様です」
「いざないさんにお聞きしたのは、可能性が少なからずあるのでは? と言う推測からですので♪ ありがとうございます」
「…はあ」
(こえーけどやっぱかわいーんだよなぁ…)
にっこりといざないに笑顔。
見た目とは裏腹に底知れない怖さを感じるるうりんにいざないは戸惑っている

「では、こちらはただの噂で処理します」

「まあ、でしたらいざないさん達の噂は本当に?」
「その様です」
「……!」
夫人の言葉に反応したるうりんは、いざないの事も耳に入っていたらしい
「何ておめでたい。挙式はされるのですか?」
「そ…そこまでは…」
喜ぶるうりんに困惑
「濃艶派総出でお祝いしなくては。あ、他の派にも協力を募って…」
「…! 大っぴらにされんのまじ苦手なんで…!!!」
「そうですか?」
るうりんの提案に驚き断る
「幹部集合室へお願いします」
「はい」
夫人の声にるうりんが歩き出す
「では濃艶派だけでしますね♪」
「!!」

「何もしないでくれ!…ふありさん!!!」

〈お花敷き詰めるのどうかな? パグちゃん♥〉 キャン
パタン

「……」
いざないの声は最早聞こえず。
一人で盛り上がったるうりんはパグと相談しながら集合室へ行ったのだった
「この様子ですと話がどんどん大きくなりそうですね」
「…………」
夫人の言葉にいざないの顔色が悪い
「…集合室向かうっす」
「はい」
重い足取りで派長室を後にした

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