マルー・クインクエ【復帰】・・・1

マルーに落ち着きが戻りつつあった頃、久々に全体派幹部集合室に顔を出すいざないの姿があった
「副団長!」
「ししょーは?」
「資料室へ…」
いざないを出迎えたただおは室内の中央で雑務をこなしていた
「…は?」

「いざない! 戻ったか」

いざないに遅れる事数分、一丁がやって来る
「…ししょーが資料室ってすっげイメージ沸かないんすけど……」
「オレもMとの約束が無ければ近寄りたくないのだが…」
「?」
「例のディックを一層と程自由出入り許可のやつだ」
げっそりした顔でMとの出来事を語り出す

          *

―――前日、派長室にて
「分かりました。ただし、誰の協力も得ずに自力で異物を探して私の所に持って来て下さい」
「!!」
「明暗どちらでも構いません」
「……」
「不正した場合許可は無かった事にします」
Mの側にはソノ、離れた入口に一丁の姿がある。二人共険しい顔をし怖い
「不正したかどうかは私は分からないかもしれませんが」 ニマ~
頭巾から覗かせる口は上がり楽しげだ
「自分自身はよぉ―――…っく分かりますよねぇ♥」 ウフフフフ フフフフ
口元に指を寄せ笑い声が響く
「健闘を祈ります♥」

ウフフフ フフフ フフフフ

ソノと一丁は底知れぬ圧に固まり怯えている

          *

「オレの一生がかかってる!! 不正などしたら罪の意識に苛まれてしまう…それだけは恐ろしくてできん!!」
首を左右に大きく振り真っ青。
聞いてたいざないとただおは容易に想像ができ強張っている
「ソノは出歩き戦法に行った。オレは資料から………調べたら頭痛と吐き気が…」
机の上に頭を突っ伏し辛そうな顔は相当の疲労を感じさせる
「―――まあ…すんげー量作ってるみてーだし…いずれ見つかるんでは…」
「何も言うないざない! オレが…オレが見つけねばぁ~~~」
「…うす」
何気ない言葉にも遮ってしまう一丁は意外と真面目だ
「していざない、お前はMから洗礼とやらをされたのだろう? 一体どんな事をされたんだ?」
「…!」 ぎくっ
「Tがあれだった故気になっての…」
顔だけをいざないへ向ける。ただおも気にしていた様でいざないを見た
「ま…まあそれなりに…」
視線を逸らし濁す。
一丁はいざないの素振りで何かを感じ取った
「いざない、お前が不在の時、新刊が五、六冊出ての、お前の部屋(寮)に重ねてある。限定本も三冊だ」
「マジすか!!!」 部屋行きて―――!!
一丁のさりげない贈り物にいざないの頬が紅潮し心が躍った
「していざない」 じー
「………」
が、真っ直ぐに見つめる一丁の目は説明しろと訴えている。
言わないと見られない危機感を感じ取ったいざないは静かにボソと呟いた

「…………モルス・トラディス…」

「…? 明暗語か…全然分からん」
〈えーと〉 パラパラ…
「え!? 副団長大丈夫だったんですか!!?」
お手製明暗語解読書を辿ったただおは衝撃事実に驚いた
「どんな意味だ、ただお?」
「え…と…」
顔を上げただおに聞く。
言いたく無かった理由に気付いたただおはいざないを見て戸惑っている

「死の接吻」

「!?」
台に座り窓から外を眺めていたまいちが即答
「何だと!! いざない! お前Mとそんな不埒な事をしたのか!?」
「…不埒も何も…俺にとっちゃ激痛なんてもんじゃ無かったんすよ…」
案の定発狂寸前まで陥った一丁はいざないに襲い掛かるのではと言う具合で詰め寄った
「一回死んだみてーだし…」
「何!!?」
「ええ!!?」
「Tの部下が俺を蘇生したんだ」

はぁ…
「…も、かんべん」
「…………そうか」
思い出すだけで顔が青くなり溜息。
一丁は少し冷静さを取り戻し気が引けている
「にしても羨ましい。あの美しいMと…」 何故オレは縁遠い…うう…
「…そりゃ、ししょーにとってはそうかもしんねーけど…」
「とにかく良かったです…」
一丁は再び机に突っ伏し今度は涙が溢れている
(改めるとさんぼーちょー、ソルムと似てんな…ししょーに教えたり、ししょーの言う事以外あんま聞かねーし…どっかで従者だったって記憶あんのか…?)
窓の外を眺め直したまいちをいざないは心の中で分析


「さて、再度資料室行ってくるわ。今後、全体派員の纏め役はただおに任せてある」
「うす」
気を取り直し立ち上がる。
一丁に倣い皆準備を始めた
「時間ある限りオレらも派員に顔を出そう。力が入り用時はただおも頼むぞ」
「はい」

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